読み聞かせのコツ(後編)

 こんにちは!YOMO運営事務局です。

 前回は0~2歳の時期での読み聞かせをするコツを紹介しましたが、今回は3~5歳編です。

▼3歳

 表紙の絵やタイトル、作者名をゆっくり見せたり、読んだりすることで、絵本の名前を覚えることができるようになります。

 また、言葉の意味を考える力が成長しているので、大げさな抑揚や声はかえって子どもが絵本の世界に入ろうとするのを妨げてしまうことがあります。ゆっくり、はっきりとした口調で語りかけるように読むと良いでしょう。

 集中力が切れてしまった場合は、お話の途中で言葉を挟む、指差しをするなど軽くリアクションをして最後まで読み通しましょう。

 思ったこと、気付いたことをストレートに言葉にする時期なので、読み終わった後に子どもの話をたくさん聞いてあげる時間をつくってあげましょう。

 そのときに子どもが本の内容に共感したり、反発した気持ちを大切にしてあげると、子どもの心が満たされていきます。

▼4歳

 言葉の感覚が敏感になる時期に入り、どこに何が描かれているか、じっくり絵を見ようとします。ゆっくり絵を見る時間をとってお話を進めましょう。

 知らない言葉が出てきたときや内容がわかりにくい場面では、子どもが「~ってなあに?」などの質問をしてくることがあります。読み聞かせの途中で説明を加えて、内容を理解するサポートをしたり、子どもの状況によっては集中力が途切れることもあるので、あとで質問に答えたりと臨機応変に対応しましょう。

 話を追う力もついてきているので、冒険ものなどのストーリー性がある絵本の場合は、読み方にメリハリをつけることで、子どもたちの期待を高めることができます。ページをめくるタイミングや読み方に緩急をつけても良いでしょう。

▼5歳

 お話の進行を急がず、冒頭は丁寧に読んで、子どもを絵本の世界に引き入れましょう。

 読み取る力が成長している時期ですので、読み聞かせする側も絵本の世界に入り込み、自然体で読みましょう。大げさな表現は必要ありません。

 そうすることで、子どもは少し長めのストーリーでもしっかり聞き取れるようになります。また1冊を聞き通す経験をたくさん積むと、子どもに達成感や満足感を与え、「自己肯定感」を育むことにつながります。

 読み終えた後は、子どもの感想をしっかり聞いてあげましょう。感想を強要せず、自然と出た感想が、言葉の表現力を育てることにつながっていきます。

 またより深く絵本を理解してもらうために、劇遊びをしてみるのも良いでしょう。言葉だけでなく、体で表現することで、絵本の面白さや難しさを経験として感じ取ることができます。

▼自己肯定感とは

 ここで「自己肯定感」について、もう少し考えてみましょう。

 自己肯定感とは、自分の価値や存在意義を前向きに受け止める感情や感覚のことです。

 自己肯定感が高いと、コミュニケーション能力が高い、感情や衝動をコントロールできる、チャレンジ精神がある等の特徴を持ちます。

 一方、自己肯定感が低いと、ネガティブでマイナス思考であったり、協調性がない、あきらめやすいといった特徴を持ちます。

 自己肯定感を高めるためには、「ほめる」ことが効果的だとされています。

 お子さんが1冊の絵本を聞き通せたり、細かいことに気づいたりしたときに、ほめてあげることで、自己肯定感を育むことができるかもしれません。

▼まとめ

 大きくなるにつれて、子どもの個性が出てきて、言葉の理解ややりとりが苦手な子もいると思います。

 絵本は子どもたちにお話を通して、言葉に興味を持たせたり、言葉を育むのに、大きな役割を持っています。

 年齢や性格に合わせて、新しい作品も含めていろいろな絵本に触れることで、子どもの潜在的な興味や関心を引き出すきっかけになるかもしれません。

 ぜひご家庭でもこれまでに紹介したコツを取り入れて、子どもと楽しく絵本を読んでみてはいかがでしょうか。

 

参考図書 
・児玉ひろ美 『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』 小学館 2016
・徳永満理 『よくわかる 0~5歳児の絵本読み聞かせ』 チャイルド本社 2013

参考サイト 
「ほめ写プロジェクト」